犬の睡眠時間はどのくらい?よく寝るほどいい?睡眠時間が短いとだめ?犬の睡眠について調査した最新の論文を読んでみました!

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我が家のステラちゃんは、日中でもふと気づくと「うとうと」しています。おそらくどこのワンちゃんもそうだと思うのですが、そもそも犬は普通どれくらい寝るのでしょうか。今日は犬の睡眠について論文などを読んで勉強してみたことについて紹介したいと思います。

という大仰な入り方をしましたが、実は犬の睡眠についてはまだあまりよくわかっていないようなのです。哺乳類の睡眠を調べることは生物を理解する上で非常に重要なためか、現在でも盛んに研究が進んでいます。2020年にanimalsという国際雑誌に、およそ4000頭の犬の16週齢(子犬)と12カ月齢(成犬)での睡眠について調査した論文[Kinsman et al. 2020]が出版されていたので読んでみました。これはなかなか面白い研究ですので、興味のある方はぜひ読んでみてください(オープンアクセスなので無料です)。肝心なところを要約すると、

・子犬は日中に非常に長く寝るが、夜間はむしろ成犬より起きている時間が長い
・人がいないところにお留守番になると大体が眠る
・飼い主がいるところに移動できる犬は、90%近くが飼い主の周りで眠りにつこうとする

という結果だったようです。もっとも、海外と日本では犬の生活環境も違うでしょうし、犬種や個体差も大きいところです。また、成犬の1日の平均睡眠時間は約8〜13.5時間だったようです。成長期の子犬や、体力が衰えはじめた老犬(7,8歳くらい~)でも睡眠時間は長くなるようで、1日のほとんどを寝ることもあるそうです。

ずいぶん古い研究にさかのぼりますが、1977年に報告された論文[Lucas1977 et al.]では、犬は一度に45分しか眠らず、その間に睡眠サイクルを完結させるようです。人間でも脳が覚醒した状態の「レム睡眠」と脳が眠る「ノンレム睡眠」を交互に繰り返して、1.5~2時間程度のサイクルで睡眠を続けるということを聞いたことがありますが、犬も同じサイクルを45分で完結させるというのは驚きです。しかも、人のレム睡眠が25%であるのに対して、犬のレム睡眠は全体の80%程度だそうです。おそらく犬の古くからの生存本能的に警戒状態の時間帯が多いということなのでしょう。うちのステラちゃんも物音がするとすぐに起きて覚醒しますからね。また、犬は寝てる間によく足をばたつかせたりすると思いますが、レム睡眠の真っ最中で夢を見ているのかもしれません。

犬も哺乳類ですから、起きている間に覚えたことを眠っている間に脳内で整理します。そのため、コマンドなどのしつけやトイレをきちんと早めに覚えさせるためには良質な睡眠が必要になるはずです。犬は習慣の動物ですから、なるべく一定の生活リズムで眠らせてあげることが重要なのかもしれませんね。

犬の睡眠時間が長い・短い場合は問題がある?

上述のように犬の睡眠時間には個体差があるみたいなので、極端でなければあまり心配する必要はないみたいです。ただし、一日中ずーっと寝ているなど明らかに様子がおかしい場合は病気の可能性もあるみたいなので、おかしいなとおもったら獣医師の先生に相談してみたほうが良いかもしれません。このような状態を「嗜眠(しみん)」と呼ぶそうです。ナルコレプシー(居眠り病)やホルモン疾患が原因になる他に、睡眠時無呼吸症候群により睡眠障害が出ることで眠る時間が極端に長くなる場合があるみたいです。頭が小さくて上気道が狭いブルドッグなんかは要注意だそうです。

逆に犬の睡眠時間が短い場合ですが、運動不足の犬はあまり寝てくれないようです。うちのステラちゃんも天気が悪くて散歩に行けない日は夜になっても元気いっぱいです。これについては皆さんもご実感があるのでは?

他の短眠の理由として、犬が緊張状態にあったり、環境変化についていけずによく眠れないことを疑うそうです。毛布やクレートを変えたり、いつもと違う音が聞こえたり、室温が適切でないような状況の場合には、犬がストレスを感じてよく眠れない可能性があります。そのほかに体調の異常や病気(うつ病、認知症など)による場合もあるので、飼い主さんはワンちゃんの睡眠について時々気にかけてあげたほうが良いかもしれません。

犬が良質な睡眠を取るためには環境づくりも大事ですよね。静かで薄暗いところに寝床を作ってあげたり、緊張感を感じなくて良いように隠れられるスペースにしたり、柔らかい素材のベッドを用意したり、飼い主さんの匂いがするアイテムを置いてあげたり、トイレと寝床を近づけないようにしたり、、、など。

あとは室温の管理についてですが、犬がが快適に過ごせる室温はざっくりと次のような感じです。

小型犬:20~24℃
中型犬:20~23℃
大型犬:18~22℃
超大型犬:16~20℃
・密集した毛が多い犬種は比較的寒さに強く保湿効果もあるのでやや低めでもよい
・チワワやマルチーズの毛は意外と保湿効果がなく、体も小さいので寒さに弱い
・老犬の方が体温調節が苦手なので、よりこまめに気を付ける必要がある

季節や湿度によっても異なると思うので、犬が暑そうにしていたり(例のハァハァするやつとか、お腹を冷たいところに押し付けたり)しないか、寒そうにしていたり(丸くなるなど)しないか、肉球が冷えていないかなどを気にしてあげると良いようです。

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